アパートやマンションといった賃貸物件のベランダや共用廊下に設置された室外機に蜂の巣を発見した場合、「誰が駆除するのか」「費用は誰が負担するのか」という、戸惑いや疑問が生じます。勝手に行動すると後々のトラブルに繋がりかねないため、正しい手順で対処することが重要です。まず、賃貸物件で蜂の巣を発見した場合、最初に行うべきことは「自分で判断せず、すぐに大家さんや管理会社に連絡する」ことです。蜂の巣の駆除責任が、入居者にあるのか、それとも大家・管理会社側にあるのかは、巣ができた場所によって判断が分かれます。一般的に、ベランダやバルコニーといった、入居者が「専用で使用する部分(専有部分)」にできた巣は、入居者の管理責任と見なされ、駆除費用も自己負担となるケースが多いです。一方で、共用廊下やエントランスの軒下、建物の外壁といった「共用部分」にできた巣は、建物全体の安全管理に関わる問題であるため、大家さんや管理会社が責任を持って駆除し、その費用も負担するのが通例です。しかし、この区分は契約内容によって異なる場合があるため、自分で「専有部分だから自己負担だ」と決めつけて、勝手に業者を手配するのは早計です。まずは管理会社に状況を報告し、指示を仰ぐのが最も確実な方法です。管理会社によっては、提携している駆除業者がいたり、費用の一部を負担してくれたりする場合もあります。連絡する際は、蜂の巣の場所、蜂の種類(分かれば)、巣の大きさなどを具体的に伝えましょう。スマートフォンで写真を撮っておくと、状況が伝わりやすくなります。最もやってはいけないのが、管理会社に無断で業者を呼び、後からその費用を請求することです。費用の負担を巡って、必ずトラブルになります。賃貸物件は、あくまで借りているものです。そこに発生した問題は、まずその所有者・管理者と情報を共有し、相談するという基本を忘れないようにしましょう。