紙魚は外からだけじゃない!家の中に潜む発生源とは
部屋で紙魚を見つけた時、多くの人は「窓の隙間から入ってきたのだろうか」と考えがちです。しかし、紙魚の問題は、外部からの侵入だけにとどまりません。実は、あなたの家そのものが、紙魚にとって快適な住処となり、中で繁殖して数を増やしている可能性があるのです。紙魚は、高温多湿で暗い場所をこよなく愛する生き物です。彼らが生存し、繁殖するためには、温度が二十度以上、湿度が七十パーセント以上という条件が理想的とされています。日本の住宅、特に気密性の高い現代の家屋は、冬でも暖かく、湿気がこもりやすいため、一年を通して紙魚が活動できる環境を提供してしまいがちです。では、家の中のどこが発生源となり得るのでしょうか。最も注意すべきは、押し入れやクローゼットの奥深くです。衣類や布団がぎっしりと詰め込まれ、空気の流れが滞っている場所は、湿気が溜まりやすく、紙魚にとって最高の繁殖スポットとなります。同様に、本がぎっしり詰まった本棚の裏や、何年も動かしていない家具の裏側、畳の下、壁紙の裏なども危険なエリアです。これらの場所には、彼らの餌となるホコリや髪の毛、本の装丁に使われる糊などが豊富に存在します。また、キッチンや洗面所、浴室といった水回りも要注意です。配管周りの湿気や結露は、紙魚を引き寄せる大きな要因となります。壁の中の断熱材の隙間や、床下なども、人の目に触れないだけで、実は紙魚の楽園になっているかもしれません。もし、家のあちこちで頻繁に紙魚を見かけるようになったら、それは単なる外部からの侵入者ではなく、既に家の中のどこかに定住し、世代交代を繰り返しているサインかもしれません。対策は、侵入経路を塞ぐことと並行して、家全体の風通しを良くし、湿度を下げるという、根本的な環境改善が不可欠となるのです。