害虫は駆除したい、でも、在宅介護をしている家族がいる、どうしても移動できないペットがいる、あるいは自身の体調の問題で、長時間家を空けることがどうしてもできない。そんな「バルサンを使いたくても使えない」というジレンマに悩んでいる方は、決して少なくありません。しかし、諦める必要はありません。害虫駆除の方法は、バルサンのような全量噴射型殺虫剤だけではないのです。家にいながら、安全に、そして効果的に害虫対策を行うための、いくつかの優れた選択肢が存在します。まず、最も安全で、巣ごと根絶やしにする効果が期待できるのが、「毒餌(ベイト剤)」です。これは、ゴキブリなどが好む餌に、時間をかけてゆっくりと効果を発揮する殺虫成分を混ぜ込んだもので、設置型のものが主流です。これを食べた害虫が巣に持ち帰り、仲間に分け与えることで、知らないうちにコロニー全体を壊滅させることができます。薬剤が空気中に飛散することがないため、小さな子供やペットがいるご家庭でも、設置場所にさえ気をつければ、非常に安全に使用することができます。次に、物理的に害虫を捕獲する「粘着トラップ」も、家にいながらできる対策として有効です。ゴキブリホイホイに代表されるこのタイプの製品は、化学的な殺虫成分を使っていないため、安全性が非常に高いのが特徴です。害虫が通りそうな壁際や家具の隙間など、怪しい場所に仕掛けておくだけで、知らぬ間に敵を捕獲してくれます。また、目の前の害虫をピンポイントで退治したい場合には、スプレータイプの殺虫剤を局所的に使用するという方法もあります。この場合、部屋全体に薬剤が広がるわけではないため、使用後の換気をしっかりと行えば、家にいながらでも対処が可能です。そして、もし被害が深刻で、自分の手には負えないと感じた場合は、「専門の駆除業者に依頼する」という選択肢が最も確実です。プロは、住人の安全に最大限配慮しながら、専門的な薬剤と技術で、害虫を根本から駆除してくれます。バルサンが使えないからといって、害虫との同居を我慢する必要はありません。あなたの家の状況に合った、最適な武器を選ぶこと。それが、家にいながらにして平和を取り戻すための、賢明な戦略なのです。
どうしても家を空けられない!そんな時のバルサン以外の選択肢