蜂の活動が鈍くなる日没後や夜間は、一般的に蜂の巣駆除に適した時間帯であると言われており、確かに昼間に比べて蜂は巣に戻って休息しているため一網打尽にできるチャンスではありますが、この「夜間駆除」において多くの人が犯してしまう致命的なミスが「懐中電灯で巣を照らしながら作業すること」です。蜂は走光性といって光に向かって飛んでくる習性を持っており、特に夜間の暗闇の中で強力なライトを点灯させると、巣から飛び出した蜂たちは一直線にその光源、つまりライトを持っている作業者に向かって突撃してくることになります。スプレーを噴射するために巣の位置を確認したい気持ちはわかりますが、不用意に光を当てることは「ここに敵がいるぞ」と自ら居場所を教えているようなものであり、光に集まった興奮状態の蜂に顔や手を刺されるリスクが格段に跳ね上がります。正しい夜間の駆除方法は、まだ明るいうちに巣の位置とそこまでのルート、足元の障害物などを完全に把握しておき、暗くなってからは可能な限り明かりを使わずに近づくか、どうしても必要な場合は赤いセロファンを貼ったライトを使用することです。蜂は赤い光を認識できないため、赤いライトであれば巣を照らしても蜂を刺激することなく作業を行うことが可能となります。また、スプレーを噴射した瞬間に羽音が響き渡り蜂が飛び出してくる恐怖に耐えきれず、途中でライトを照らして確認したくなる衝動に駆られることもありますが、そこをぐっと堪えて闇に向かってスプレーを噴射し続ける精神力が必要であり、夜間駆除は蜂の活動が鈍いとはいえ、光の扱い方を間違えれば昼間以上に危険な状況に陥る可能性がある高度なミッションであることを肝に銘じるべきです。